League of Legendができるまで(基礎歴史講座)11/14微追加

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更新履歴

3/7
DotA関連のアフターストーリーを掲載、
ついでにIcefrog氏の功績である「Pick&Banの発明」を掲載。

3/14
Sega社代理運営のカオスヒーローズオンラインについて「外伝2」の最後に追加。

11/14
日本鯖開始に合わせ本文の内容を調整、用語集追加。

2016/1/6
紙袋 様の動画へのリンクを追加。

予定
新規MOBAユーザーに向けて現存三大MOBAゲー(LoL,DotA2,HotS)のLoLを超絶贔屓した上での簡易比較及び誘導。

はじめに

予め断っておきますが、このガイドはいかなる特定のChampやロールのビルドガイドでもありません。
じゃ何しに来たんだお前と突っ込まれる前に言い訳をさせて貰いますと、
自分が思うに、何をするにも極めたいのなら基礎は大切なわけです。
「初心忘るべからず」ということわざにもあるとおり、S5が始まった今、
そして日本鯖運営開始が目の届くところまで近づいてきている今こそ、
改めてちょっと歴史を遡り、Leagueの成り立ちを一から見つめなおすことで、
Leagueというゲームがどのような思考の元で設計されているのか、またどのように発展を遂げてきたのか、
そういった基礎的な知識を改めて咀嚼、吸収し、新しいビルドやスタイルへの糧にしたり、
もしくはこのゲームを始めようとするor始めたばかりのプレイヤーの方々への
登竜門ガイドブックとなればいいなという思いの元に執筆しました。
新規参入狙いのためRTSというゲームジャンルに触れたことすらないライトコアゲーマー向けに書いている部分も有る、
というかそもそも身内を新規参入させたくて書いたブツを改めてちょっと改訂して公開している感じなので、
まどろっこしかったりする部分もしくはちょっと間違ってたりする部分は、
三流歴史小説を読んでいるとでも思って寛大にお見逃し願いたく思います。
まぁちょっとした歴史モノの読み物と思って軽く読んでくださいな。

2016/1/6追記:
ニコニコ動画にて、DotA2視点から解説動画を投稿していらっしゃる紙袋様の動画を紹介したいと思います。*本人同意済
音声編集や当時のゲーム画像、映像を織り交ぜた歴史紹介が魅力的です、興味が湧きましたら是非とも御覧下さい。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm27951347

用語集

元々本拙文は「Leagueを遊び始めてから少ししてビルドガイドに来た人」を標的に書き上げたので、
例えばLHやJG等の用語は未解説でそのまま使っていました。
ですが日本鯖開始の目処が立って現実味を帯びてきた昨今に置いて、
完全にLeagueを知らない方に読まれる機会もあるかもしれないと考え、本文中に使われて解説されていない用語を、
ここで解説しておきます。
本文中に分からない言葉が出たらご参照ください。

MOD/MODDER:ゲームのModificationの事。所謂自作データ、改造データ等。
発売後、ユーザー自身の手によってMODが作られ配布されるのはパソコンゲームではよくある事であり、
遊び慣れたゲームに一味違うスパイスを加え、ゲームの寿命を長持ちさせる重要なファクターとなっている。
寧ろMOD制作を前提にゲームが設計されたり、MOD製作者が正式に雇用されることもある。
StarcraftやWarcraftだと本体が改造されるわけではなく、
本体付属のマップエディターで様々なマップを自作しているのだから正確にはマップ作者と言った方がいいのだが、
Mapperだとなんか違和感を感じるのでModder表記になった。

AD/AP:アタックダメージ、アビリティパワーの略。物理攻撃力、魔法攻撃力と言ったほうがわかりやすいか。
LoL内だとそれぞれオレンジ色の数値、青緑色の数値として表示される。
物理攻撃力はキャラクターの通常攻撃のダメージとなり、物理系スキルのダメージにも影響する。
魔法攻撃力は通常攻撃とは絡まないが、魔法攻撃系スキルのダメージに大きく関係する。

Caster/Mage:魔法使いの事。通常攻撃は弱いが、その代わりスキルが強力で、
豊富な状態異常や範囲攻撃を持っている事が多い。

Nuke:一撃が重い、核爆弾になぞらえたキャラやスキルを指す言葉。

Gank:元は「強盗」の意。ゲーム内では奇襲によって数的有利を作り出す戦闘行為を指す。
平たく言えば別戦線に加勢したり、Jungler(後述)が奇襲を掛ける行為。
数は一番戦闘力に直結する要素で、如何に有利な状況を作り出し不利な状況を回避するかが勝利の鍵。

Jungler:文内でも述べたがこのゲームでの戦線は上中下の3つのレーンに分かれている。
で、その上中下の三本道の間に存在するのがジャングルと呼ばれる領域で、野生モンスターが生息している。
Junglerはこのレーンの外、このジャングル内でモンスターを狩り発展し、
レーンを観測しGankを掛けたり敵Junglerを牽制するのが主な仕事。

Carry:「抱える者」、転じて試合を勝ちに導く者、もしくは単純に大器晩成型のダメージ役の事を指す。
特に物理攻撃力を上げて直接撃つタイプのAD Carryを指す事が多いが、
昨今の環境では必ずADが勝ちに繋がるということはあまり無くなった。

Pick&Ban:キャラ選択の前に、選択してはいけないキャラを決める「Ban」フェーズと、
敵味方で順番通りに使用キャラを選択する「Pick」フェーズ。
性能差や相性差が直接勝敗に繋がるMobaでは、ゲームの公平性や奥深さを高めるのにも必須と言えるシステム。
このシステムのせいで得意キャラを封じられ、涙を飲みつつ大会に敗北したプロ選手は数知れず。
また身近なところで言えば、このBanフェーズのお陰で強すぎるキャラクターは常識の如く試合から除外されるので、
折角大金を叩いて強キャラを買ったのに、使う機会が全然無いということもある。

LH:ラストヒット。トドメの一撃。Leagueに置いては雑魚敵を倒すとお金が手に入るが、
これはきっちりトドメの一撃を入れないと手に入らない。
どれだけ体力を削っても最後の一撃が入らないとお金を入手できない上に、
お金を手に入る主要手段が雑魚狩りのみなので、
きっちり雑魚を倒す腕前は必須の基本技能と言える。

古き良き宇宙戦争

はじまりは、何だったのだろう?
運命の歯車は、いつ回りだしたのか?

ここで元ネタ通りに続けたらタイトル詐欺もいいところなので
真面目に解説いたしますと、全ては1998年、Blizzard社の開発したStarcraftというゲームから始まりました。
人類、エイリアンと超能力エイリアンの三種族に分かれてドンパチ繰り広げるSFちっくなRTSです。
 
さてここでStarcraftはまず置き、「RTSとは何か」について解説を入れさせてもらいますが、
端的に言うと「戦争ゲーム」です。
といっても一般的にFPSやTPS等、プレイヤーが銃持って敵を撃つ射的ゲームを指して言う「戦争ゲーム」ではなく、
チェスや将棋等の、将軍から兵卒まで戦場の登場物全てをコントロールする「戦争ゲーム」です。

それなりのゲーマーならタクティクスオウガや、FFタクティクス、
もしくはファイアーエムブレムと言うと分かるかもしれませんね。
更に遡るなら、例えばDungeons&Dragonsや、Warhammer等のテーブルトークRPG。
これらはTBS、ターンベースストラテジーです。その名の通り、決められたターン毎に駒を動かすわけですね。
で、そりゃおかしいぞ、敵同士がお行儀よく変わりばんこにお互いの顔を殴るなんて、
今時の不良すらやらないじゃないかというツッコミがあったかどうかは分かりませんが、
RTS、つまりリアルタイムストラテジーが生まれました。
全ての駒が時代劇のクライマックスが如く、ノンストップでリアルタイムに一斉に斬り斬られるわけです。

一般的なRTSのゲームの流れと言うのは、まず始めにプレイヤーは基礎的な機能しかない基地と、
各種資源を回収するためのワーカー(作業員)を与えられます。
そしてワーカーで資源を回収し、内政生産施設を作り、軍を組織し、
最終的には相手プレイヤーの基地を壊すという感じです。
Starcraftで言うと、惑星の表面に基地と5人の作業員からスタート、
惑星表面のミネラルやらガスを採取して兵営や工場を設立、兵士や戦車や戦闘機果ては宇宙戦艦を生産して、
同じ惑星の表面上にいるはずの敵の基地を見つけ、破壊するといった感じです。
この「相手プレイヤーの基地を壊す」と言うのが肝心で、相手も兵営や基本的な生産建築が
残っている限り延々と軍隊を再生産できるので、
ただ単純に一回の合戦で相手の軍隊を全滅させただけではまだ勝利とはならないわけですね
油断して敵基地に脳死突撃をかましたら再生産された軍隊と防衛施設によって返り討ちにされ、
結局逆転負けしてしまったというのはLeagueに至ってもよく見られる光景です。
 
さて、ではStarcraftに戻りましょう。1998年に発売されたStarcraftは非常に魅力的なゲームでした、
確か近年までずっとPCゲーム総売り上げNo.1の座をキープし続けていたはずです。
その魅力の1はまずキャンペーンモード、つまりストーリーがちゃんとSFしてて面白かったことと、
2はゲーム内の三種族それぞれ全然違う性能を持ち、それでいてバランスが取れていて
プレイヤーの性格に合わせた多様なプレイスタイルがあったこと、
それと3、これがLeagueの誕生において一番重要なポイントなのですが、
ゲーム付属のマップエディタが素晴らしかったこと。
Starcraftのマップエディタは他のRTSのマップエディタのようにただ地形を作るだけではなく、
「トリガー」というスクリプトをも内包していました。
つまりどういうことかと言うとRPGやADVゲームのように、
マップ内で各種イベントを起こすことが可能だったわけです。
プレイヤーの視界外にエンドレスに敵を出現させ、擬似的なゾンビサバイバルゲームを作ったり、
兵士を家の前に近づかせるとチャット欄にダイアログが出る、という形式でRPGらしき物を作ったり。
この新しいおもちゃに時のPCゲーマー達はたちまち夢中になりました。
残念な習作レベルの物から数年も語り継がれる傑作まで、様々なユーザー自作マップが作られました。
そしてその中でひっそりと産声をあげたのが「Aeon of Strife」、
League of Legendsの祖母にあたるマップで、今から遡ること17年前になります。
 
Aeonは当時のStarcraftマップの中では異彩を放っていました。
「戦争は数だよ兄貴!」の名言の通り、RTSでは軍隊VS軍隊という多対多の戦闘が当たり前でした。
プレイヤーはまるで小指と薬指を別々に折り曲げるかのように、
多数の兵士達それぞれに別々の、それでいて的確な指示を与え、
そのコントロールの精確さが上級RTSプレイヤーのアイデンティティのようなもので、
それはStarcraftでも例外ではありませんでした。
ですが、Aeonはそれを全部取っ払ったのです。
プレイヤーはたった一人の強力なユニットを操作し、三叉に分かれた敵基地への道を攻め込んでいき、
AIが自動生成してくれる味方兵士と共に敵AIの兵士を攻撃し、お金を稼ぎ、装備をアップグレードし、
死んだら一定時間後に基地で自動復活し
最終的に敵基地を壊滅させる、それがAeonでした。どこかで聞いたことがあるようなゲームですね。
ただ、最初期のAeonは本当にそれだけでした。選べるヒーローユニットは全部で8体、
そしてスキルなどと言う上等な物は存在しない、ただ単なる殴り合いでした。
後にスキルも商店で買って覚えられるようになりましたが、レベルという概念は存在しない、
本当に基礎的なゲームでした。
ですが、プレイヤーたちはAeonを気に入りました。と言うのも、
Starcraftの通常競技でガチプレイをするというのは非常に疲れるからなのです。
 
まず敵自分のスタート条件は同じ、作業員の資源回収速度も同じ、
出来るだけ相手に差を付けるためには限りなく効率的にプレイし続けなければいけません。
建設には作業員と資源を使い作業員や兵士を生産するのにも時間と資源を使い、
しかも仕様が種族毎に違うし兵士の相性も種族毎に違う、
そもそも同一種族内でも相性が違ってくる兵士もいるので偵察や手の読み合いはとても大事でした
時間をロスしないように全ての作業員にとって最も効率的な資源の採集方法を考え実行し、
相手の偵察を行い迅速に対策法を考え、
その間内政施設に指示を与え続け生産を続行し、
相手に小規模の兵を送って妨害したり第二拠点を確保したり、相手の妨害に対抗したり、
その間内政施設に指示を与え続け生産を続行し、
終盤にはいかに相手に有利に総力戦を仕掛けるかについて苦心し、
そしてそのために前線兵士をこまめに操作して戦闘をなるべく有利に進め、
その最中にも内政施設に指示を与え続け生産を続行しなければいけない。
戦争と内政の状況を同時に把握し、操作するのは実際やってみると結構難度があり、
プロStarcraftプレイヤーは一分毎にマウスクリックとキーボード操作を含め300~500の指示を出すと言えば、
その凄さが分かるでしょうか。そしてそれが試合中、殆どは20分~40分程度でしょうか、ずっと続くわけです。
このAPM(Action Per Minutes)と言われる指数ですが、
ちなみに一般プレイヤーにおいては200以上をキープできればStarcraft上級者です。
筆者の全盛期は180前後でした。お察しですね。
 
さて私の実力如何はさておき、Aeonでは内政部分を全てAIが担当してくれます。
一定の間隔で兵士が自動生産され、三叉路を分かれてそれぞれ前線に赴き、自動で戦闘をこなしてくれます。
ゲームにかかる手間が半減した上に、殆どのプレイヤーにとって一番重要な戦争の部分も、
「たった一人の強力な兵士を操作する」という点に絞り込むことによって、
よりシンプルに戦争ゲームの醍醐味を味わえる設計になりました。
当時のプレイヤーはAeonのまるでアクションゲームのような分かりやすい楽しさに惹かれたわけですね。
 

レベルやアイテム合成の実装

さて、更に時を五年程進めて2003年、
これまたBlizzard社の別シリーズWarcraftの新作、「Warcraft III」が発売されました。
色彩鮮やかで美しい3Dポリゴングラフィックと、
トールキン風のハイファンタジーな世界をベースにした本作、
Starcraftのような素晴らしいストーリーや戦略上の楽しさと共に、
そのマップエディターの多彩な機能も完璧に受け継いだWarcraftIIIは、
更に新しい概念:ヒーローを生み出しました。
 
他の兵士と違い、ヒーローユニットは生産できる数に限りがあり、
序盤は1体、終盤でも3体までしか生産できず、
そのどれもが自分自身のステータスと独自のスキルを持っており、
敵兵士や中立モンスターを倒すことによって経験値を得、レベルを上げ、
所得したスキルポイントを自由に割り振り出来るというユニットです。
ヒーローはそれぞれ筋力型(タンク)、敏捷型(DPS)、知力型(キャスター)の三種類と、
Warcraftにおける人間、ナイトエルフ、オーク、アンデッド四陣営+中立の全五陣営に分けられ、
オーラ、AoE持ちに団体テレポまで出来、大軍との行動で真価を発揮するリーダータイプのヒーローや、
ステルス、クリティカル、移動速度アップを持ち単体でも各種破壊工作をこなせるヒーロー等、
数々の個性豊かなヒーロー達が戦略性を深めていました。
ちなみに筆者一番のお気に入りのヒーローユニットは中立陣営の酒飲みパンダです。
筋力型ヒーローの癖にAoEスロウ、命中低下がかかる酒の息と、
DoT付きAoEダメージスキルの炎の息のコンボが集団戦ではクソ強く、
パッシブの酔拳で回避率が上がる上に回避直後はカウンターで四倍ダメージを叩き出し、
ultは一定時間、三体のこれまた個性豊かでどれも強力なCCやダメージスキルを持っている子パンダに分身して、
三体の分身の内一体さえ生きていれば死亡扱いにはならず、
しかもパンダなのにBlizzard社の設定ミスか何故か中国語は喋らないがたまに日本語を喋るという、
筆者の中ではトップクラスにぶっ壊れて可愛いヒーローでした。
 
さて閑話休題。発想力に優れたModderがこのヒーローというシステムと
Aeonというマップを結び付けるまで、そう時間はかかりませんでした。
EulというModderがAeonをWarcraftIIIのシステムに悪魔合体しようと試みた結果、
「Defense of the Ancients」、略してDotAの誕生です。
 
Eul氏は移殖の際に、自分なりのアレンジを加える事も忘れませんでした。
最大3対3であったAeonから5対5にプレイヤーを増やし、
ヒーロー毎に独自のスキルセットを与え、個性を深め、選択の上での戦略性や楽しみを増やしました。
その後しばらくしてEul氏はDotAの開発から手を引きましたが、
彼が現存するDotA系ゲームの基礎を作り上げたことに変わりは無く、
その功績は私のような懐古厨が居る限りは永遠に語り継がれることでしょう。
 
Eul氏が去った後は暫く大航海時代とも言える時期が続きました。
各々のmodderがそれぞれ自分のワンピースを捜し求め好きなようにDotAをアレンジし、公開しました。
WarcraftIIIのマップは当時のマルチプレイ環境の関係や、プレイヤー間交流が殆どであったこともあり、
著作権に関しては完全に無法地帯でした。
それに乗じて才能のある者は自分で3Dポリゴンを作ってアニメやTVショーのキャラを参入させたりしていました。
ル○ィを操作して相手のゾ○にゴムゴ○のガ○リングを繰りだせたり、
ル○ィで相手のス○イダーマンにゴ○ゴムのスタンプを当てたり、
挙句の果てには何故かバッ○マンが元気にゴム○ムのピストルしてたりしました。
まぁ要するに外人ウケが良かったアニメやコミックの二次創作物も沢山作られたんです、割とフリーダムに。
WarcraftIIIのマルチプレイヤーはホストがマップを選んで部屋を作る参加式で、
参加プレイヤーがホストのマップを持っていない場合、自動的にホストからマップをダウンロードするのですが、
一時期は一ゲーム遊ぶ度に毎回マップをダウンロードする必要があったほど、
巷には様々なDotAのコピー品が流れていました。
 
そんな群雄割拠の混沌とした環境に救世主が!
Steve Feak氏、"Guinsoo"という通り名で通していたModderでした。
Eul氏が元々使っていたオリジナルのDotAマップをいたずらに改変せずそのまま使い、
更に巷に溢れていたコピー品から特に秀逸でバランスが取れていたヒーローを集め、
「DotA: Allstars」というマップを公開しました。
今で「DotA」と言う場合は殆どがこのGuinsoo氏によるAllstars版で、
後に世界規模の大会が開かれたり、DOTA2の元になったマップです。
更にGuinsoo氏は優秀なModderの例に漏れず、非常に面白いオリジナル要素を加えました。
「合成レシピ」です。
 
赤水晶と剣を一つずつ持っていれば木槌に合成される、そういったシステムの始まりでした。
これによって前半で買った廉価なアイテムが後半に持ち越せ、無駄が無くなるようになり、
例えば最初はとりあえず薬やら剣やらレーンで有利になれるアイテムを購入し、
中盤で更に攻撃力を伸ばそうとするも敵の攻撃の方がやたら痛いので、
考え直してとりあえず防御効果がある素材アイテムを一つ位買っておこう、無駄にはならないしという、
アイテム選択や購入順に置ける戦略性も生まれました。
同時に、Steve Mescon氏、又は"Pendragon"というネームで通していたプレイヤーが
DotA用のフォーラムを立ち上げ、これが五年に渡る長い間DotAコミュニティの基盤となり、
様々なビルド、攻略や数々の非常に価値のあるガイドを生み出しました。
 

Leagueの発足、DotAとの確執

Guinsoo氏はその後二年ほどDotA: Allstarsのアップデートを続け、
最終的にIcefrog氏という別のこれまた優秀だったらしいModderにDotAの開発を任せました。
ちなみに優秀だった「らしい」と言うのは、筆者はここらで一旦DotAをやめてしまったので、
実際Icefrog氏がどのような変更を加えたかまでは体感できなかったのです。
Pick&Banを発明したのがIcefrog氏らしいのですが、詳しくは後述します。
 
で、Guinsoo氏はそれきりDotAの開発から引退した……かのように思われたのですが、
熱意の塊である新鋭クリエイターがたったの二年で満足するはずも無く、
2009年某日、Guinsoo氏とPendragon氏は自分達が
Brandon "Ryze" Beck氏及びMarc "Tryndamere" Merrill氏によって設立された
ゲーム開発会社「Riot Games」に入社したことを宣言し、
同時期にRiot Gamesからゲーム「League of Legends」のサービス開始が宣言されました。
 
しかし、Pendragon氏はRiot入社後しばらくして、
自らが五年間管理してきたDotAフォーラムを予告なしに閉鎖してしまいます。
現在に至るまでPendragon氏はいかなる形式のアーカイブも公開しておらず、
この突然の閉鎖のせいでプロプレイヤーによるガイドやビルド等珠玉の数々が
翻訳され他国のフォーラムに転載されていた物を除き、全てネットの闇に消え去ってしまいました。
更に過半数がネットギークであったDotA民唯一の憩いの場を消し去ったこともあり、
Pendragon氏は完全に裏切り者としてDotAコミュニティに敵視されることになりました。
 
元々ハードコアなDotA民はLeagueのソフトなプレイスタイルや課金要素に反感を覚えていました。
Leagueの課金システムはMMOのそれとしては非常に良心的だとは、
筆者だけではなく読者の方々や他のMMOプレイヤーの多くも認める所だとは思うのですが、
WarcraftIIIの一MODであるDotAでは、全ヒーロー及び全機能を好きに扱えたのです。
本体ゲームのWarcraftIIIさえ買ってしまえば、残りは全部無料でした。
Leagueは毎週たったの10体しか無料で使えないこと(DotAは70体位だったでしょうか)、
それとMasteryは兎も角、IP収入というプレイ時間の差が出るRunesシステムを受け入られなかったこと、
初期のLeagueの劣悪なグラフィック、幼稚なコミュニティ、低すぎるユーザー平均年齢など、
まぁ後ろの方は言い掛かりにも近いのですが、なんだかんだが積み重なり、
DotAコニュニティは完全にLeagueコミュニティと対立してしまいます。
後にIcefrog氏までもがDotAを守るため別会社を渡り歩いたり、
Valve社とBlizzard社がDotAの権利関係で裁判を起こし「DotA系」ゲームの総称が「MOBA」になったり、
本家DotAの方はもうちょっと波乱万丈ないきさつを辿ることになるのですが、
そこは流石にLeagueとは結構かけ離れてしまうので割愛しましょう。
 
さて、上にDotA民はLeagueをソフトコアすぎると評した、と書きましたが、
まずLeague独自の革新的な点について書きましょう。
LeagueとDotAは違いがかなり有りますが、自分が思うに一番の相違点はスキルのスケーリングです。
自分が最後にDotAを遊んだのはIcefrog氏が参入した辺りの頃なので現在も同じかどうかは分かりませんが、
DotAにはAPという概念、及びスキルのADスケーリングやAPスケーリングという概念が無かったのです。
スキルダメージはすべて固定で、スキルレベルに応じて強化されはするも、
例えばADが上がったらスキルのダメージも上がるなんていうことはありませんでした。
結果的にどうなったかというと、DotAではヒーローのロールや役割がかなり固定されていたのです。
CasterやMageは固定ダメージが高い前半でGankを刺し有利を効かせ、
AD Carryは後半になって装備を買い集めるまで屁の役にも立ちませんでした。
逆に全員の体力や固さが上がってくる終盤では、
Mageは爪楊枝で刺したぐらいのダメージしか与えられず、戦闘の主役はAD Carryに移行します、例外はありません。
APという概念が存在し、最後までプレイすれば、
スキルのダメージもちゃんと上がるLeagueのMageとは大きな違いですね。
 
他には例えばDotAではJunglerは必須ではありませんでした。
Carryがかなりの頻度でJungleを摘まんでいたため、
そして試合の行き先はすべてCarryの育ち具合が握っていたため、
Junglerが居るとCarryが育つのが遅くなって逆に負けに繋がるわけですね。
ですがLeagueにおけるJunglerは非常に強力です。
まずLanerが自分のレーンから離れるという状況が少ないので、
Junglerが中立を食っても味方の成長を妨害しません。
そしてJunglerがGankを刺した際の効果が強いのです。
 
DotAは各種アイテムの値段が高かったり、収入がLeagueより少なかったり、タワーが硬かったり、
更に言うとCarryが完全に育ちきるまで両方とも決定打を刺せない等の要因で、試合が長引きがちです。
一試合1~2時間とかザラです。
(P.S.とは言えSteamプラットフォームで遊べる最近の本家DotA2では、
1時間半以上等の長時間の試合は非常に稀になったそうです。コメント情報感謝します。)
それと比べるとLeagueのゲームスパンは非常に短いわけですね。
20~40分程度、長くても一時間で決着は付きます。
 
これはどういうことかと言うと、
DotAに比べるとLeagueにおいて序盤の有利は確実に「優勢」として保ちやすいわけです。
DotAでは2時間に及ぶ試合の内、序盤に数キル取られたりした程度では戦況は余り揺るぎませんが、
Leagueで早々に自分のレーンでキルを取るとそのままタワーを壊したりドラゴン行けたり他レーン崩したり、
相手の基地破壊と言う最終的な戦略目標に近づくという点で相手に対して格段に有利に立てます。
なので、Junglerが序盤にGankを刺すということは非常な脅威になるわけです。
 
要約すると、LeagueはADCarry一強を改め、AD/AP Scalingという概念で
すべてのロールが序、中、終盤それぞれ得意不得意あれどどの段階でも役割を持てるバランスを保ち、
ビルドのTrollしやすさ多様性を増し、
更にゲームスパンを短くすることで余り時間が無かったり、2時間もぶっ通しでPCゲームを遊ぶわけにも行かない
近代社会人向けのMOBAを作りだしました。
 

おわりに

さて、League成り立ちの歴史についてあらかた語り終えました。
この後Riot社も中国のTencent社に買収されて傘下に入ったりなんやりと一波乱あるのですがそれはさておき、
ここで私から初心者プレイヤーの方たちに改めて認識して貰いたいのがLeague of Legendの起源です。
そう、Leagueの大元は戦争ゲームであって、敵コアの破壊Nexusの破壊が目標なわけです。
確かに中盤から終盤にかけてのTeamfightは大乱闘スマブラ的な側面もありますが、
最終的な目標は敵陣地の制圧であって、
それは「議会で提示された議案を10人のサモナーが5対5に分かれて、
それぞれ一人ずつ召喚したChampionによる代理戦争の結果で議案の可否を決定する」
というもうとっくに忘れ去られているかもしれないLeagueの公式設定からも見て取れます。
 
相手のビルドや立ち回り、スキルやチームコンプを確認し(偵察)、
FarmしてGoldを得て(採集)、
自分のChampionの特性と敵ビルド等に合わせて装備を整え(生産)、
相手との戦闘を有利に進め、Nexusを破壊する(戦争)。
これらがRTSゲームであるLeagueの根源にあたる要素であり、
この四要素の存在をきちんと把握していれば、少なくともボロ負けということはあまり無いでしょう。
後は自分の能力を実践然りガイド然りで磨いて行くだけです。
それでは良いLeagueライフを。
 

3月7日追記

さて、公開後思いのほか楽しんで頂けたようなので、調子に乗って外伝的な話として、
主にGuinsoo氏が離れた後、Icefrog氏がかかわり始めた後のDotAが辿った軌跡を紹介して行こうと思います、
ちなみにIcefrog氏に関しては僕も今日昨日で急いで調べ上げたにわか知識が主なので、
所々失笑を誘ってしまう内容もあるかもしれませんが、
そこもまた素人の手記ということで、大目にお願いします。
あとこれ以降はLeague全然関係ないので、本当に純粋に娯楽的な読み物になります、
そこらへんもご了承ください。
 

外伝1:DotAのその後

では時間設定を2006~07年頃に戻しましょう、Guinsoo氏がDotA開発から手を引いた辺りです。
Icefrog氏がDotAを引き受けることに関して、DotAコミュニティは勿論猜疑の目を向けていました。
この時点(バージョン6.10)ですでに完成度が高いDotA: Allstarsを、どうやって手を加えていくつもりなのか。
ですが猜疑の声はすぐに止み、代わりに皆からの信頼と尊敬がIcefrog氏に寄せられていました。
まず、Icefrog氏は非常に真面目でした。Guinsoo氏が面倒くさくてほったらかしにしていたマップのバグを、
片っ端からこまめに修正して行ったのです。
そしてIcefrog氏は腰が低く、他人の意見を良く聞き入れる、尊敬に値する人格者でした。
フォーラムではユーザーと対等に会話し、沢山の意見を受け入れ、
それらをバランスを保ったまま新ヒーローや新装備と言う形でDotAに実装していきました。
更にタワーを脆くしたり、後期大成型のCarryヒーローを減らしたり、
彼独自のアイテムバランス等を行いキャスターの後半での作用を増したりADCarry以外でも試合を終わらせられたり、
全体的にゲームスパンが60分前後かそれより早めに収まるようにバランス調整を行っていて、
それら全てがユーザーに受けいられていました。
一時期、DotAのアップデートがあった際、公式サイトよりのDL数は数日内で400万以上に登るほどの勢いを見せていました。
それ以外にも各国におけるミラーサイトや、ゲーム内で直接ホストからDLする数を入れれば、
全世界で推定千万程のユーザーが居たのでは無いのでしょうか。
それでいて、Icefrog氏は謙虚でした。
大人気ゲームModの作者でありながら無闇に自らを晒すことはせず、
数少ない本人に対するインタビューでも「インタビューはあまり好きじゃないんだ」と語り、
勿論在りし日のGuinsoo氏やPendragon氏も実名や実写真を出したりはしませんでしたが、Icefrog氏のそれは特に顕著で、
自分を中々表に出そうとしない、奥ゆかしい方でした。
 
そして更に彼の偉大な先輩達の例に漏れず、Icefrog氏自身も革新的な機能を生み出しました。
今Leagueでも親しまれている「Pick&Ban」システムです。
ここら辺自分で言っておいて要出典的な曖昧さは感じるのですが、
古参DotA民によるとDotAでPick&Banが出現したのはIcefrog氏が引き受けてからで、
Leagueが始まる前だとのことです。
このシステムが戦術面にどれ程の奥深さを加えたかは、
ページ上部の用語集にて解説しましたのでそちらをどうぞ。
 
さて、Icefrog氏個人の功績を紹介するのはここまでにして、
2008年後半まで飛びましょう。ここらへんになって来ると、
流石に数々のゲーム会社がDotAというゲームの潜在価値に気づいてきます。
というか推定400万以上のユーザー群を確保している時点で潜在もクソもありませんね、はい。
DotAというゲームが多大な経済効果を秘めているのは確定的に明らかであり、
この時点で様々なコピーゲームが作られだしました。
筆者が個人的に覚えている物では「Demigod」と「Rise of Immortals」とかですね、
どれもとんでもない失敗作でした。
そして2009年にやっとそれなりの出来のコピーゲームが出来ました。「League of Legends」です。
とはいえどこっちは元本家Guinsoo様が関っているので、
コピーゲームというか別の形でのDotAの正統後継者という感じですが。
この時点である者はGuinsoo氏のネームバリューに惹かれて、
またある者はDotAフォーラムの管理者であるPendragon氏に誘導されてLeagueを試すのですが、
結局課金要素やらなんやらで殆どのDotA民はLeagueへの移住へとは至りませんでした。
そして暫くしてから前述したPendragon氏によるDotAフォーラムの閉鎖という魔大陸崩壊並みの事件が起きたのです。
ちなみに現在もアーカイブ公開の目処すら立ってない数々の意見スレや考察スレ、ガイドやビルド等は、
Pendragon氏によってLeagueの糧にされてしまったため「公開しない」のではなく、
窃盗を指し示されるのが怖いので「公開できない」のだというDotA民による説もあったりしますが、真相は闇の中です。
 
 
皆の集会所が核の炎に包まれて一時期は存続すら危ぶまれていたDotAコミュニティ。
Icefrog氏は冷静にいつも通りDotAのアップデートを進めて行く最中、
このままではただの一MODに過ぎないDotAは最終的に別のゲーム会社の食い物にされるだろうと危惧していました。
更に2003年のゲームという骨董品としての宿命か、WC3のオンラインプレイ用マップは、
ファイルサイズが8MBを超えてはいけないという制限が有ったのです。時代の流れに取り残されるのは時間の問題でした。
WarcraftIIIの親元であるBlizzard社に頼るのも考えたのですが、
Blizzard社はヒットメーカーである優秀なゲーム会社ながらも、その規模は小さく、
DotAに目を向けるだけのヒマはとでもですが有りませんでした。
そこでまず選ばれたのがS2 Games社です。
Icefrog氏はS2 Games社と提携しDotAの正統後継者になるはずであった
「Heroes of Newerth」と言うゲームを開発、公開しました。
「なるはずであった」というのは、2010年頃にIcefrog氏は何故かS2 Games社との提携をやめてしまったからです。
ここらへんの理由は今になっても明かされていないままなので、どんなトラブルがあったのかは謎のままですが、
Heroes of Newerthは約40体のDotA由来のヒーローを抱えたまま、
オリジナルヒーローを参戦させサービスを続行するルートを辿り、
Icefrog氏は再び信頼できるパートナーを探しつつWarcraftIIIにおけるDotAのアップデートを続けていきます。
 
そして2010年9月、不思議なことが起こりました。
これまたHalf-LifeやL4D等、FPS界のヒットメーカーとして有名なValve社が、DotA2の開発を宣言したのです。
その宣言の中には勿論、Icefrog氏の名前がありました。
宣言後、Valve社は結局2011年半ばまで情報統制を行い世界中のDotA民に対する焦らしプレイを敢行したのですが、
次にValve社がニュースをもたらしたときにDotAコミュニティは瞬時に沸き立ちました。
なんと、ベータサービス前に世界への初お披露目として、
いきなり賞金百万ドルの大会をドイツで開催するというのです。
大会当日、DotA民の注目は皆ドイツのE-Sports会場に注がれ……
人々は満足しました。
DotA2はDotAの完全なる移殖で、
独立した新世代のエンジンによる美麗なグラフィックの他は、
全てDotA民たちが慣れ親しんだWarcraftIIIのDotAのままでした。
勿論、その時点ではまだエフェクトやアイコンの開発や、全ヒーローの移植には至って居ませんでしたが、
そこには確かに希望があり、これこそ顧客が本当に必要だった物でした。
DotAフォーラム消失後のLeagueからHoNへ、中世のジブシーをも思い浮かばせる流浪の日々を送ってきたDotA民は、
ようやくもう時代の波が迫ってきているWarcraftIIIから抜け出し、自分達だけの安住の地を見つけたのです。
 
更に、今は正式にValve社に勤めてDotA2の開発に関っているIcefrog氏は、
今後も遊び続ける人がいる限り、WarcraftIIIのMODとしてのDotA: Allstarsも更新を続けていくという、
ファンが愛して尊敬する真面目なModderとしてのコメントを残していて、
現に今でもDotA: Allstarsの更新は可能な限りDOTA2と平行して続いています。
 
ちなみにDOTA2の特徴としては、ここらへんは完全にこの拙文にコメントして下さった方達の転載になるのですが、
Blink Daggerという、Leagueで言えばFlashがアクティブ効果として使える装備の存在や、序盤のNukerの強さなどもあり
試合が昔のDotAと比べ非常に短く、こちらも殆どが1時間以内に収まるようになったそうです。
また、プロシーンに置いても序盤のGankでCarryのレベル差が開けば、20分以内にGGとなる場合もあるらしく、
それを考慮すれば最近のLeagueよりも短いゲームスパンになるでしょうとのことです。
数々のコメントや感想、ありがとうございます。

外伝2:Blizz社のその後、MOBA誕生

さて、ここで視点を全ての大元、Blizzard社に向けて見ましょう。
2010年7月、ファン達が待ちに待ったStarcraftの続編:「StarcraftII」を発売し、
開発チームに少しながら余裕が出来たBlizzard社は一つの計画を画策していました。
Blizzard社の三大シリーズ、Starcraft、WarcraftとDiabloは、
それぞれ指輪物語並に練り込まれた緻密なストーリーと世界観が大きなセールスポイントになっていて
ストーリーモードに出てくる魅力的なキャラ、ヒーローや敵の数々を愛して止まないファンも大勢居ます。
Blizzard社は正にそこに目を付け、自社の売りであるストーリーのキャラが全員出てくるお祭りゲームを作ろう、
でもアクションゲーム作りのノウハウはあまり無いので任天堂のようなスマブラ系お祭りゲーは作れない!
そして自社製品のWarcraftIII由来の大ヒットアリーナModであるDotAが目に留まった結果が
「Blizzard DotA」なるゲームの開発発表です。
Blizzard社が毎年自前で開催するファン向けのお祭りBlizzConの2010年会場で、
公式によるStarcraftII対応のMODとして「Blizzard DotA」を開発しているとアナウンスしました。
そしてその次の年、2011年のBlizzConで改めて、
「Blizzard DotA」はStarcraftIIから独立したプラットフォームに変更したと発表します。
 
しかしこの時点でValve社はDOTA2を自らのブランドとして扱っていたので、
当然名義権利関係でいざこざを起こし、流石訴訟大国アメリカと言うべきか、民事訴訟まで発展してしまいました。
結果としてはDotAという名前はValve社の登録商標になり、
「Blizzard DotA」は「Blizzard Allstars」という仮名称に変わり、
後々に「Heroes of the Storm」を最終名として2015年1月にベータテストが始まりました。
ちなみに、一応Starcraft時代からのBlizzardファンである筆者は勿論このお祭りゲーに歓喜し、
まだ同作が「Blizzard Allstars」という仮名を使っていた段階でベータに応募していたのですが、
「Heroes of the Storm」に改名した際に改名以前のベータ応募者を全部切って、改名後に応募し直していたらしく、
それに気が付いたのは既に応募が締め切られていた後でした。クソが!
 
さて筆者が応募に落ちた話はさておき、Valve社とBlizzard社の民事裁判以降、
正式な場でDotA系のゲームはマルチプレイヤーバトルオンラインアリーナ、
略してMOBAと呼ばれるようになりました。
また、極一部では「RTS要素にFPSやRPGの要素、更にはTCG等人気ジャンルの面白さを融合した新しいジャンル」
として『AOS:The Real Action Oriented Strategy』という呼び名が提唱されたらしいですが、
長らく海外のコミュニティに身を置いてきた筆者としては完全に知らない子ですね。
国際上の正式なE-sports標準においてはあくまでMOBAです。ちなみに本場のMOBAコミュに置いてAOSと言うと、
殆どの場合はMOBAゲームの大元祖である「Aeon of Strife」を指すことになります。
とは言っても最近は本場の海外MOBAコミュニティに置いても、Aeonは忘れられつつある存在なのですが、
それも時代の流れと言う物でしょう。
今後は後継者であるLeagueやDotA2等がどのような発展を遂げていくのか、
もしくはショップもゴールドもLHの概念も無く、スキルはレベルアップ時に二者択一のスーパーライト仕様である
Heroes of the Stormが主流になっていくのか、
MOBA好きの一人である筆者にとっては眼が離せないところです。
 
ちなみに真面目な話をしますと、SEGA社が代理運営している韓国のカオスヒーローズオンライン、
こちらはDotA混迷期の際にDotA: Allstarsとは別に生まれたマップ、
「DotA-Chaos」由来のゲームです。
結局のところ、DotA: Allstarsには規模と人気の点で負けてはいましたが、
こちらも中々コアなファンが着いてきており、特に韓国では大人気だったそうです。
そこからDotA2やLeagueの独立運営化に感化されたのかは知りませんが、
こちらもカオスヒーローズオンラインとしてWarcraftIIIからの独立を果たしたわけですね。
ちなみにDotA-Chaosの特徴としては雑魚がタワーに相対して弱い上に、タワーが自己修復するので、
Minion WaveでPushするより、プレイヤーが積極的にガンガンタワーを殴らなければ中々折れないという点でしょうか。
あとはスキル無効化Potと、そのスキル無効を解除するアイテムの存在で、
相手のスキルを読んで無効化+無効化を先読みしてBaitして解除するという独自の読み合いが生まれていたそうです。
ちなみに風の噂レベルですが元祖DotA作者であるEul氏が認める後継者はこのDotA-Chaosだけだそうです。
とは言っても確かな出典が無く、本当に風の噂レベルですが。
でもSEGAさん、
国際上ではもう「MOBA」と話が決まっている物にAOSとかいう独自のヘンテコな名前を付けるとか……
これもうわかんねぇな(呆れ)
 
ちなみにこちらもコメント頂いた風の噂ですが、
日本における登録商標関係等でMOBAを名乗れず、仕方なくAOSという名称になったとか。
もしそれが本当だとしたらDeNA社が運営するmobage(モバゲー)関連でしょうか。
何はともあれ、コメント情報感謝です。

さて、2015年3月までの歴史講義はここで本当に終了です。
外伝の部分が一番長かった気がしますが正直こういう利権絡みの場所は説明するべき要点が多いので、
長くなりがちなのもしょうがないねと言うことで見逃して下さい。
 
結局のところ、海外ではいろいろと盛り上がっているMOBAコミュニティですが、
日本が完全に蚊帳の外状態なのはよく残念に思っていたものです。
(著作権的に完全にアウトですが)「ジャンプヒーローオールスターズDotA」、
「三国無双DotA」に「東方Defence of the Shrines」とか、
広まれば特定コミュニティから大量の参加者を獲得できそうなModもかなりあるのですが、
いかんせん、基盤であるWarcraftIIIの国内での普及率がお世辞にも高いとは言えないのが理由の一でしょうか。
ついさっき某掲示板でLeague日本鯖開始の具体的な日時が公開されたとの一文を見たのですが、
願わくばこれをきっかけに日本でもMOBAコミュニティが広がるように、
そして自分が今執筆しているこれがその礎の一つになれるように、
一MOBAプレイヤーとして願う限りです。
それでは読者の皆さん、またお会いしましょう。
 

この記事を書いた人

Feyspr

League of Legendができるまで(基礎歴史講座)11/14微追加」への28件のフィードバック

  1. 匿名

    (少なくとも最近の)Dota2では、1時間半も二時間も試合することは稀ですよ。一応誤解のないように

    返信
      1. 匿名

        遅ればせながら追記お疲れ様です。おもしろかったです。
        下のコメントも読んでの、以後読む人の参考になればと私なりの再追記ですが、
        Dota(2)はタワーが硬く、また、バイバック(お金を消費してRevive)という機能があるため、多少の戦力差では勝ち切ることが難しくなっていることや、終盤のCarryの持つ力がCarry以外のヒーローと比べて格段に高いことから、劣勢でもCarryが育って逆転ということがそこそこあります。
        両者をサレンダー無しの前提で比較した場合、Dotaの方が平均して10分~20分長くなるかと思います。

        返信
  2.  

    Eul、Guinsoo等聞いた事のある名前が結構あるなぁ
    今は亡きシュレリアもdesignerの名前だったらしいし結構そういうのを大事にしてるんだな

    返信
  3. 匿名

    lol(s3~)のほうがdota(ver5.3~6.1くらい)よりゲームスパンは長く感じるかな
    dotaはhero(champ)のピークが早いのが多いし、carryを育てるというよりは育った奴がcarryという風潮
    強力なinitiatorがdaggerを持った瞬間勝負が決することも少なくない 早けりゃ15分程度でGG
    lolは小競り合いからobjectを狙ってく展開が多くて、まともなゲームなら25分は最低かかる tower強いし

    返信
    1. Feyspr 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      自分は6.1あたりまでちょくちょく遊んでいたのですが、
      少なくとも自分の居たコミュニティの野良戦では四人が一人のCarryを全力でSitするスタイルだったと思います、
      そしてCarry役は例えばAnti-Mage、Spectre、Gorgonらの明らかに後半が本番なHeroが担当して、
      それが平均試合時間が一時間以上と無茶苦茶長引いた原因の一つだったと思います。
      あと負けず嫌いが多く、また簡単にgg投げないプレイヤーばっかだったので、(それにsurrender機能も無かった気がします)
      試合がほぼ決まっている場合でも全力でTurtleして粘っていた奴らばっかでした。
      まぁそれで綺麗な逆転劇が決まることもあったのですが。

      Daggerは自分の印象にはあまり残っていないのでおそらくですが、
      多分Icefrog氏がDotAを引き受けてからの実装ではないのでしょうか。
      私自身として覚えているのが6.43だか6.48だかで、
      DaggerというアイテムによってVPというプロチームがAllGank戦術なるものを編み出したと聞き、
      非常にショックながらも面白がった覚えがあります。
      それから6.51あたりになって、まだDotAを遊び続けてた友人が、
      ゲームスパンが明らかに早くなったとか言っていたのを覚えています。

      返信
  4. WBRev

    どうでもいい話ですけど、おわりの取消線を見るに筆者はボーダーなのか?と思ってしまった
    文章量が多いかと思いましたが、案外スラスラと読めました。Gj

    返信
    1. Feyspr 投稿作成者

      どうでもいい話ですが、杖が出た頃からのボーダーでした。
      でもUnionあたりで流石に財布が危うくなったのでやめた感じです。Thx

      返信
  5. 匿名

    MOBAじゃなくてAOSになったのは日本の商標関係のせいだとか…こっちも風の噂ですがw

    返信
    1. Feyspr 投稿作成者

      成程、考えてみれば確かにありそうな問題ですね……
      情報感謝します、本文内に追加記載しました。

      返信
  6. R

    最近のDota2は上で挙げられてるようにDaggerがあるほか、序盤のNukeが強めに設定されてることもあって、一試合に60分掛かることはかなり稀に感じます。プロシーンでも早い段階でGankが成立してしまい、Carry同士のレベル差が開いて20分掛からずにggってことも多いです。序盤の立ち上がりがまったりしてるLoLのほうが平均的な時間は掛かるんでないかなあ、と。

    返信
    1. Feyspr 投稿作成者

      コメントありがとうございます。
      DOTA2に関しては完全に無知なので、こういった情報は助かります。
      本文に追加記載しておきました。

      返信
    1. Feyspr 投稿作成者

      T、TBSやRTSにRPG要素を加えた物がSRPGだってWikipedia先生も言ってるし、
      ま、多少はね?(震え声)

      実際キャラやストーリーが立っているFE、FFTやStarcraft、Warcraftのキャンペーンはさておき、
      StarcraftやStarcraftIIの通常ゲームは紛れも無くRPG要素を省いた純粋なRTSだと思います。
      WarcraftIIIでは経験値を得、レベルアップという形で成長するヒーローユニットを軸にゲームが展開されますが、
      公式におけるWarcraftIIIのジャンルはRTSであり、
      SRPGというのはそのゲームシステムや内容に鑑みると、
      やはりTBSやRTSのサブカテゴリじゃないかと言うのが私の個人的な意見です。
      例えばRPG要素抜きのTBSやRTSは成り立ちますが、
      TBS/RTS要素抜きのSRPGはあまり成り立たないと思うんです。
      よって本文内ではSRPGとされている作品もTBSやRTSの一部という感じで紹介させてもらいました。

      返信
  7. er7

    大変面白く読めました

    実際このMOBAというジャンルはキャラ物との相性抜群で、十分、日本で流行る余地があるものと思うんですが…
    その辺りもlol日本鯖に期待したいものですね

    返信
  8. 匿名

    HotSあんまおもんない…
    各ヒーローに用意されたパッシブでしか個性だせないからAP YiとかAP trynみたいな面白ヒーローができない
    存在そのものがトロールなマーキーぐらいしかいないよ

    返信
    1. 匿名

      ヒーローオブザストームやってみたけどこれはこれでいい感じ
      ラストヒット取らないでいいし
      アイテムとかはないけどその分始めやすいし
      あとは試合時間が20分ぐらいで展開が早いのが良かった

      個人的に一番好きなのはスタークラフトリマスターだけどw

      返信

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